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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

稻垣小三郎は高橋の辺なる重助方へまいり、段々療治を致して居りまする内に、美惠比丘尼のいう通り、眼病も次第/\に全快致しましたから、逃げられん内に早く仇討をしたいが、粟田口國綱の刀を先へ取返して置き、それから大野を討ち果したいと、種々手を廻して心配して居りました、お話二つに分れて堀切の別荘に居る紀伊國屋の伊之助は、病気全快してブラ/\遊んで居りまするところへ、幇間の正孝が侍を一人連れてまいり、

正「今日は、御免…えゝ御免」

伊「誰方か知りませんがお上んなさい、誰だえ」

といいながら出て参り、

伊「イヤ師匠か」

正「えゝ今日は」

伊「構わずずっと庭から廻って這入んなよ」

正「これは何うも、イヤお一人で……何うも好いお庭でげすな、お鉢前から下草誠に様子が好うがすな」

伊「そんなことをグズ/\云わねえでも宜いからおあがりよ」

正「実に御様子の好いお庭で、三日ばかりお客のお供で他へ往ってましたが、斯ういう広々とした景色の好い所は見られません……お一人でげすか」

伊「みんな摘草に出かけたよ」

正「成田以来お目にかゝりませんか、彼の時に若旦那が掘出物をなすったが、あの釜は幾らでしたっけ……然う/\一両二分ですか、それが二百両にもなると仰しゃったから、私も何うか彼アいう