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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
山田「然ういう訳にはいきません、直に引取るのなら格別、何うもお前の方へ預ける訳にはいかん」
伊「能く拝見致しました上では百両と仰しゃっても、二百両にでも三百両にでも、五百両にでも頂戴致します……左様なら後刻番頭を同道致しまして、お宅さまへ出ますが、何処へもお渡しなく私方へお譲りが出来ましょうか」
正「そんな事をするのも億劫でげすから、云わない積りで私まで内証で、耳打で、その作銘を一寸いって下さいな、云わねえくらい強気と訳の分らねえ事は有りやすめえ」
山田「然うはいかねえよ、それでは金子をもって大夫のお宅まで来て下さい」
伊「へえ、金子を持参して遅くも夕景までには頂戴に出ますが、何方さまでございます」
正「ナニ、あの、八橋畠の傍で、立派な御門が有って、生垣に成ってるお宅でげす」
山田「他へお見せなさるんではいかん、金子と引替でなければならんよ」
伊「へえ畏りました、後程相違なく私が出ます……師匠お前少し跡に残ってゝくんな」
正「へい……山田さん御免蒙ってお送り申しません」
伊「誠に何うも、左様なら」
山田「それでは後刻」
と山田藤六は帰ってしまいました。