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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
伊「へー御免を蒙ります……さア正孝往きなよ」
と云われて正孝はかたまってしまい、両手を合せて拝みながら、
正「私は何うぞ御免を」
といい捨て表へ駆け出してしまう。是から伊之助と重三郎は座敷へ通ると、お茶烟草盆菓子などが出る内に、奥から出て来たのは八橋周馬で、何ういうことでございますか水色に染紋の帷子を着まして、茶献上の帯を締め、月代を少し生やして居ります。年齢三十七八、色白く鼻筋通り、口元の締った、眉毛の濃い、品の好い男で、ピタリと居り著いた処は成程五百石も取る見識が有り、其の上にこやかで、横着ものゆえ猫撫声を出して、
周「さア/\何うぞこれへ、始めまして手前が八橋周馬で、此の度火急に国表へ帰らんければならんので、丹誠して拵えた刀ゆえ惜しいものだが、然う/\幾口もは荷になって持って往くことが出来んに依って拠ろなく払ってしまうのだが、他へ見せれば何程でも二つ返事で金子を出そうけれども、名高いものゆえパッと致すと宜くないから、作銘の処は云わないようにと言付けて遣ったために、お前の方へ手数を懸け、誠に御面倒なことで」
伊「いえ何う致しまして、私にはとんと目が届きませんから番頭を連れて参りましたが、少々其のお腰を拝見致しまして、其の上代価の所は二百両でも三百両でもお好み次第に差上げまする心得で