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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

小「これは有難う、歩くと喉が渇くから袂へ入れて咬りながら往きます、この風呂敷は大きいから大丈夫、宜うございます」

内「じゃアお前気を附けておいで、駕籠やさん、どうぞお頼み申しますよ」

雪「お母さま少しお代り遊ばせな」

母「私は歩きたいから歩いて往くが、おまえ寒くはないかえ、海端だから風がピュー/\吹くから、宜いかえ」

と云いながら重助に向い、

母「左様なら、じゃアお前どうぞ今云った通り身体を大切にしなければならないよ」

重「はい有難う存じます、どうぞ旦那さまへ宜しく仰しゃって下さいまし、お嬢さま御機嫌宜しゅう、若い衆さん気を附けて下さい、小僧さん御苦労さま」

小「へい、お辞儀をしようとして屈むと梨が転がり出しますから頭を下げませんが、ちゃんと心の内でお辞儀をして居ります」

内「そんな事を云うじゃアないよ」

と云いながら出て行くのを、重助は上り端まで這い出して見送る。舁夫はトットと急いで参る。母親と小僧は後から心を附けて、すた/\と羽根田の弁天の方へ参りますると駕籠を見失いました。

小「駕籠が見えなくなりましたよ」

内「見えなくなる訳はないが何処へ往ったろう」