轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
02 中巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 页
泣いて敦圉く始末なので、幸子はそれを宥めるのに一と汗掻かねばならなかった。まあ、貞之助兄さんの云い方も拙かったのかも知れないから、そう一途になられては困る、こいさんの云うことも分るけれどもあたし等の立ち場も考えて貰いたい、直かに談判しに行くのもよいが、話すなら穏かに話したらどうか、本家に対してこいさんが喧嘩腰になられたら、私等が迷惑する、私等はそんなつもりでこいさんの味方をしたのではないのだから、―――と、こうも云い、ああも云いして言葉を尽したが、妙子も一時忿懣の余り感情の掃け口を求めた迄で、さすがにそれを実行する迄の勇気はないらしく、二三日するとだんだん興奮が静まって、いつもの落ち着いた妙子になった。そして、それきりそのことをふっつり口にしなくなったので、ほっとしながらも幸子が内心気にしていると、十二月の中旬頃であったか、或る日突然、午後早く帰宅して、
「うち、仏蘭西語の稽古止めにしたわ」
と云った。
「そうか」
と、幸子が当らず触らずに受けると、
「洋行も止めにするわ」
と、云うのであった。
「そうか。………そらまあ、こいさんも折角思い立ったことやけど、本家があない云うのんやったら、止めた方がええやろな」