轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
01 上巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页
これは形式張った暇乞いとは違って、この程じゅう引き揚げの準備万端のために眼の廻るような思いをし、所謂「神憑り」で働いた骨休めをかねて、久し振に姉妹四人が水入らずでくつろぎ、ゆっくりと関西に於ける名残の時を惜しもうと云うのであった。それで、その間は何も彼も忘れていたいからと、音やんの女房に留守を頼み、身軽になって、末の三つになる女の児だけを子守に背負わせて連れて来たが、ほんとうに、四人がそう云う風に一つ屋根の下に集って、時間の制限もなく、呑気に語り暮すと云うことは、何年ぶりになるであろう。考えてみれば、鶴子は今までに蘆屋の幸子の家へ数えるほどしか来ていなかったし、来てもほんの一二時間、家事の相間を見て来るだけであったし、幸子の方から上本町へ訪ねて行っても、子供が大勢纏わり着くので、おちおち話している暇もなかったと云うような訳で、少くともこの二人の姉妹は、お互に結婚生活をするようになってから、しんみり語り合う機会を持たなかったと云ってもよいのであった。だから今度は、姉の方も妹の方も、前からその日の来るのを楽しみにし、こう云う話もしよう、ああ云う話も聞いて貰おうと、娘時代から此方十何年来溜っている話題の数々を考えていたのであったが、さて、その日になって、泊りに来てみると、姉はこの間じゅうの、―――と云うよりは