轻松读懂日语经典作品
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
01 上巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页
「はあ、ほんとうに仰っしゃる通りですわ。わたし等の時分とは女学校の教育の仕方もえらい変って来てるらしいので、今の若い奥さんを見ますと、わたしなぞでも、時代が違うなあ思いますわ」
「わたくしの姪で、娘時代に郷里から出て参りまして、わたくしの監督を受けながら神戸の女学校を卒業しました者がございますの。それが近頃結婚しまして、阪神の香櫨園に所帯を持ちましたんですが、主人は大阪の或る会社に勤めていまして、月給が九十円、外にボーナスが幾らとか申しておりましたが、それと、家賃の三十円だけを毎月郷里から補助して貰っておりますので、まあそんなものを全部併せて月収平均百五六十円の生活なのでございますね。それでわたくし、月々の遣り繰りをどんな風にやっているかと案じていたのでございますが、行って見ますと、月末に主人が九十円の月給を持って帰ります。そうすると直ぐそれを、瓦斯代、電気代、被服費、小遣、などと記した幾種類もの封筒が出来ておりまして、それへそれぞれ区分して最初に収めてしまいまして、それで以て次の月の生計を立てると云う風なんですの。そんなで随分切り詰めた暮しをしている筈なんでございますが、わたくし、夕飯の御馳走に呼ばれましたら、思いの外気の利いたお料理を出しますの。