轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
「失敬しました」
「お母様に早く扁桃腺を切れっていわれたぜ。春切るつもりだったのを痛いと思ってのばしておいたんだ。これはきみにも話してあるじゃないか?」
「はあ」
「それだのにお母様の前でのどが痛いなんていうんだもの。せっかくいいあんばいに忘れているのを思い出すじゃないか?」
「すみません」
「きみはお母様にほめられるものだから、僕のことをなんでもしゃべるんだろう? お兄様がたも内藤はゆだんがならないっておこっているぞ」
「気をつけます」
「柳田さんに食いついたことがわかればきみのせいだぜ」
「それはごむりです」
「いや、おしゃべりはきみばかりだ」
と照彦様はお兄様がたにからかわれたくやしまぎれにさんざんじれたあげく、正三君を廊下のかべへ押しつけた。抵抗しないのを承知で圧迫をくわえる。
正三君は照彦様のごきげんがいいとなにもかも忘れているが、こんな風におつむじがまがってきた場合はとかく家のことを考えだす。そこはまだ子供だ。安斉先生の注文のように君君たらずといえどもという心持ちになれない。かなうことなら押しかえしてやりたい。忠義をつくしてもはりあいがないと思いこむ。