轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页

青空文庫

今度は僕が先に切ってみせるよ」

と照彦様はゆきがかり上、決心しているようだった。その日、奥様と安斉先生が見まいに来た。翌日は照正様と照常様が学校の帰りによった。

「内藤君、ご苦労様。ハッハハハ」

と笑ったところを見ると、照正様はしかけをご承知だった。照常様も、

「手術のお相伴じゃ退屈するだろうね」

といつになく同情してくれた。そのつぎの日には富田さんと家庭教師三名がうちそろって伺候した。小さな扁桃腺一つに大きな騒ぎをする。

五日めはもう一方の手術だった。奥様と安斉先生が立ち会った。照彦様は競争心がおこっているから、第一回の時のようにおじけなかった。

「先生、僕は先にやっていただきます」

と申し出た。

「これはおえらいですな」

と藤岡さんはほんとうに感心した。

「内藤君、見ていてくれたまえ」

「拝見いたします」

と内藤君も手術室へはいった。藤岡先生は、

「いいですか? じっとなすって」

というと同時に例の早業をやった。照彦様は、

「ああ!」

と首をかしげたが、顔色が青くなっただけで、けっしてめめしい様子を見せなかった。弱虫の若様をこれまでに激励したのはたしかに正三君のおてがらだった。