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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
堀口生はその間に上着をぬいで待っていた。
「おい、内藤。男らしくやろうぜ」
と進みよった態度はいかにもおちついていた。子分の横田篠崎小川の三名も、かばんをはずして支度をした。
「内藤、きさまは男らしくないな」
と尾沢生がとがめた。
「なんだ?」
と正三君の顔は青かった。
「そこじゃ堀口君の方が日を受けるからまぶしい。不公平のないように、もっとこっちへ寄りたまえ」
と尾沢生は正三君の手を取った。
「それじゃおれはどっちへ廻ればいいんだい? こうっと、お天道様があそこにいるんだから」
と堀口生は空を見上げた。正三君と高谷君がうっかりつりこまれて太陽の方へ目をむけたせつなに、尾沢生は正三君の腕をねじって、グイッと引いた。これは予定の行動だった。堀口君は猛然として突きかかった。正三君は口ばたをやられて、二、三歩よろめいた。しかしつぎの瞬間に高谷君は堀口生に後ろから組みついていた。
「卑怯だぞ!」
と叫んで高谷君の足を取ろうとした横田生は細井君になぐりたおされた上に、弥次馬の足げに会って、いち早く逃げだした。篠崎生と小川生はこれに気をのまれて手出しがならない。
「堀口君、しっかり!」