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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
お前によく頼んでくれっていっていた」
「僕、これから堀口君と仲よくしてやります」
「力になってやれよ。人助けだ」
「はあ」
と正三君は堀口生のしおらしい態度が身にしみていた。
翌日は大晦日で家中忙しかった。
大学生の祐助君は朝から障子を張りはじめた。正三君も手つだって玄関のをはがしているところへ、
「ごめんください」
といって、婦人客がはいってきた。見おぼえがあるように思ったのも道理、
「内藤さん、昨夜は失礼申しあげました」
と会釈した。堀口生のお母さんだった。正三君は奥へかけていって、
「お母さん、ゆうべお話し申しあげた堀口って子のお母さんが見えましたよ」
ととりついだ。
「まあ!」
「どうしたんでしょう」
「さあ」
とお母さんは小首をかしげたが、すぐに挨拶に出て用むきを伺ったら、
「実ははなはだ申しかねますが、せがれのことについて折り入って坊ちゃんにお願い申しあげたいと存じまして……」
とあった。
「まあ、どうぞおあがりくださいませ。とり散らかしておりますけれど」
とお母さんは請じる外なかった。
「おしつまってお邪魔でございましょうが、ほんのしばらく」
と堀口生のお母さんは恐縮しながら客間へ通った。