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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
付近に肥溜めなぞがあって、むろん若様がたの立ち入るところでない。しかし運動にあきた照彦様はまもなく正三君を従えて、この方面へ志した。
「昔はここに雉がいたそうだ」
「いまでも鳩ぐらいいそうですね」
「鳩はどうだかわからないが、梟はたしかにいる。夜鳴いていることがある」
「あいつなら昼間は目が見えないから、しめたものです」
と二人は期待が大きくなってきた。
鳩も梟も出なかったが、雀はたくさんいた。見あたり次第にポンポンやったけれど、距離が遠いからちっともあたらない。なお林の中をうろつきまわっている間に、照彦様は、
「きみ、きみ、すてきなものがある。見たまえ」
と呼んだ。それは重なり合った雑木の下闇にさがっている蜂の巣だった。
「大きなものですなあ。いるいる。ウジャウジャいる」
と正三君はのぞいてみて後じさりをした。
「とろう」
「いけませんよ。さされます」
「ここから打ちおとしてやろう」
と照彦様が二、三発はなった。正三君も一発打った。蜂はブンブン舞い立った。
「もうよしましょう。あんなにおこっています」
「きみは弱虫だね」
「でも、さされるとつまりません」
「なあに」
と照彦様は空気銃を逆に持って、