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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
「そうか。これは一本まいった。ハッハハハハ」
「オホホホホ」
「ハッハハハハ」
と若様がたも笑った。
食後学習室へもどるやいなや、
「内藤」
と照常様が呼んだ。
「はあ」
と正三君も今度は身に覚えがあった。
「きみはだれの学友だ」
「照彦様の学友です」
「それならよけいなことをしゃべるな」
といいながら、照常様はいきなり内藤君のえりをつかまえて首をしめた。
「こら、らんぼうをするな」
と一番上の照正様が止めた。
「でも失敬だ」
「腕力はよせ。口でいえばわかる」
「お兄様はお人がいい。お兄様のことも安斉先生は知っていられる」
と照常様はとにかくはなした。内藤君はシクシク泣きだした。
「お母様にいいつける」
と叫んで、照彦様は廊下を駆けだした。
「こら、待て!」
と照常様が追ってゆく。
「ばかで仕方がない。内藤君、泣くことはない。僕がついている。これからあんならんぼうはさせない。よくいいきかせえる」
と照正様がなぐさめた。
「おまえまで言いつけ口をするのかい?」
とまもなく照常様は照彦様をつかまえてきた。
「でも、お兄様はらんぼうです。さっきも僕の腕をねじったじゃありませんか?」
「しかしおまえは僕のことを熊といったぞ」