轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页

青空文庫

」とぬからぬ笑を見せた。私はさきに田中さんのことを鬼の念仏に似ているように云ったけれど、なにも田中さんはあんな恐い顔もまた苦虫を噛み潰したような顔もしているわけではない。なんとなく感じに似ているところがあるのだ。また鬼の念仏とか鬼瓦とかいうやつはよく見ると、恐くもなんともない。かれらには人間に見かけるような悪相がない。つまり邪慳でも陰険でもないのだ。むしろ人間を恐怖するのあまりあんな顔つきになってしまったような形跡さえ見える。かれらの鬼面はあるいは正当防衛の結果なのかも知れない。口からはみ出している牙は敵に挑むためのものではなく守るためのものである。田中さんは愛想のいい気のおけない腰の低い人である。少しく多弁でそうして親切である。人と話しながら時々頭に手をやってなでさするような手つきをする。そういう時田中さんは相手の気を兼ねて口をきいているのだ。田中さんの家庭はお母さんに奥さんにそうして子供さんは二つ位の男の子が確か一人だったと覚えている。田中さんが毎日塾へ出かけている留守を、お母さんと奥さんは畑仕事をしているのだ。そういう暮しである。田中さんは生れつき鋤鍬作業は嫌いらしく、はたち前後から家を飛び出して、東京でいろんな職業に就いたり、宗教団体に加盟したり、社会改良派の仲間入りをしたりして、自分の好きなこと