轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页

青空文庫

そのほかの勤め人も、その方は間違いがなかった。経営者として、おかみさんは大むね満足であったが、厄介に思うことがないわけではなかった。それは日雇労務者の若い男のことであった。

山田嘉吉というのが、その男の名前である。若いと云っても、嘉吉はもう三十になっていた。嘉吉がこのアパートに来たのは、一年ばかり前であった。その頃、彼は神田辺のある紙問屋に勤めていたが、アパートに来て三月ばかりたったときにそこを首になった。一月ばかりの間は、失業したままぶらぶらしていたが、やがてこの地区の職業安定所に登録して日雇労務者になった。はじめは彼もほかの下宿人と同じように賄いをしてもらっていたが、所謂ニコヨンの労働をするようになってからは自炊をしていた。日雇の稼ぎでは、到底賄いをしてもらうわけには行かなかったからである。おかみさんとしては経営の趣旨にも反するわけであったが、それだからと云って、これも亦すぐ出てもらうというわけにも行かなかった。嘉吉の部屋は二階にあったが、その出窓には七輪や炭俵やバケツが置かれた。これは見た目に体裁がよくないばかりか、部屋も汚れる。おかみさんとしては、苦情を云う筋は充分にあった。