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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
「そうですわ。誰も好きで不義理をしたいわけじゃないですもの。仕方のないことがありますわ。」
おすぎは自分の心に問うようにうなずいて云った。こちらにも言い分があるような気はするものの、世話になった叔父の家を出たときのことを思うと、うしろめたい気にもなるのであった。芳三はいつも大きなことを云って輝かしい未来を描いて見せた。おすぎはそれを芳三の云うとおりに信じたわけではなかった。芳三はおすぎを欺いたわけではなかったし、おすぎもまた欺かれていたわけではなかった。
順吉はスチームのわきに片寄せた夜具の上にすやすや寝息を立てているトシを見て、
「トシ坊はいまがいちばん可愛いときだな。あんたによく似ている。色の白いところや額の感じなど。」
「ええ。みなさんがそう云いますわ。」
「おすぎさんはすこしおでこじゃないんですか。貶して云っているわけじゃありませんよ。」
「褒めているわけでもないんでしょ。お前は額が高くて鼻が低くてまるでおかめのようだって、おっかさんからよく云われましたわ。学校へ行っていた頃には、友達からでこでこって云われたものですわ。」
順吉はふと思い出したように笑いながら、