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くものゆめ

蜘蛛の夢

岡本 綺堂

岡本綺堂『蜘蛛の夢』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蜘蛛の夢、穴、有喜世新聞の話、恨みの蠑螺、火薬庫、真鬼偽鬼、慈悲心鳥、女侠伝、廿九日の牡丹餅、放し鰻、馬妖記、平造とお鶴。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,189 字 · 298 页

青空文庫

残っている十四人はみな逮捕されて重い処刑が行われたのはいうまでもない。たとい幽霊の訴えがあったにもせよ、こうして隠れたる重罪犯を摘発し得たのは、李香の包孝粛によるのだからというので、県令からも幾らかの褒美が出た。王の家でも自分の墓所に他人の死体が合葬されているのを発見することが出来たのは、やはり李香のおかげであるといって、彼に相当の謝礼を贈った。県令の褒美はもちろん形ばかりの物であったが、王家は富豪であるからかなりの贈り物があったらしい。」

「こうなると、幽霊もありがたいね。」

「まったくありがたい。おまけにそれが評判になって、包孝粛の芝居は大入りというのだから、李香は実に大当りさ。李香の包孝粛がその人物を写し得て、いかにも真に迫ればこそ、冤鬼も訴えに来たのだろうということになると、彼の技芸にも箔が付くわけで、万事が好都合、李香にとっては幽霊さまさまと拝み奉ってもよいくらいだ。彼はここで一ヵ月ほども包孝粛を打ちつづけて、懐ろをすっかり膨らせて立去った――と、ここまでの事しか土地の者も知らないらしく、今でもその噂が炉畔の夜話に残っているそうだが、さてその後談だ。