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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

「きゃあ。たすけてえ。」

女の子のおそろしいさけび声がきこえました。ふたりはびっくりして、にんぎょうのかおを見ましたが、べつに、口がうごいているわけでもありません。「ははは……。ふくわじゅつだよ。わしが、口をうごかさないで、女の子の声をまねたのだ。きのうのさけび声は、これだったのだよ。」

このたねあかしをきいて、ふたりは、すっかりあんしんしました。そして、まほうはかせからルビーのカブトムシをうけとると、おばけやしきを出て、小林くんのうちにかえり、おとうさんやおかあさんやミドリちゃんに、そのことを話しました。それから、ふたりで、明智たんていじむしょへいそぎました。そして、明智先生にも、まほうはかせのことをほうこくするのでした。

それからしばらくすると、小林くんがでんわでよびよせた、十人のしょうねんたんていだんいんが、明智たんていじむしょへあつまってきましたが、その中にひとりだけ、女の子がまじっていました。中学一年の宮田ユウ子ちゃんという、ついこのごろなかま入りをした、たったひとりのしょうじょだんいんです。年のわりにからだが大きく、いかにもかわいい女の子でした。