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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

」

それなら、ちえをはたらかせたら、どこかににげ道があるのかもしれません。

そこで小林くんは、かいちゅうでんとうをもったまま、まるいへやのまわりを、ぐるっとはいまわり、コンクリートのかべをしらべてみました。

すると、コンクリートのかべに、六十センチ四方ほどの、四かくな切れ目がついているのを見つけました。

「これが、ひみつのかくし戸かもしれないぞっ。」

力いっぱいおしてみましたが、びくともしません。

「どこかに、これをひらくしかけがあるにちがいない。」

小林くんはすばやく、そのへんを見まわしました。

四かくな切れ目から、すこしはなれたかべの上の方に、コンクリートが小さくふくらんだところがあります。よくしらべてみると、そのぼっちは、コンクリート色にぬった金物であることがわかりました。

「ああ、そうだ。鉄のふたが下までおりたら、ぼくたちがしんでしまうから、下までおりないうちに、にげ出せるしかけになっているのだ。」

「鉄のふたが、このぼっちのところをとおると、ぼっちがおされる。そうすると、ひみつの戸が外へひらくようになっているのだ。」

小林くんは、とっさに、そこへ気がつきました。