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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

みんなが、そのへやにはいったとき、どこからか、ぎょっとするような声がひびいてきました。

「わははは……。かんしん、かんしん。とうとう、あぶないところをぬけ出したね。だが、まだこれでおしまいじゃないよ。わしの手紙には、『おそろしい番人に注意せよ。』と書いてあった。だい一は大トラ、だい二は鉄のふた、さて、だい三の番人はなんだろうね。おしまいほどおそろしいやつがひかえているからね。ようじんするがいいよ。」

まほうはかせの声です。どこから聞えてくるのかわかりません。きっとてんじょうのすみに、ラウド=スピーカーでもしかけてあるのでしょう。

五人は一かたまりになって、おたがいのからだをだきあってじっとしていました。ノロちゃんのからだが、がたがたふるえているのがよくわかります。

「あれっ、なんだろう。なにか動いているよ。」

木村くんが、むこうのゆかをゆびさしてさけびました。かいちゅうでんとうの光が、さっとその方をてらします。

するとそこに、なんだかきみのわるいことがおこっていました。

地のそこから、みょうなものがむくむくとあらわれてきたのです。

まるいあたまのようなものが出てきました。