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あかいカブトムシ
赤いカブトムシ
江戸川 乱歩
「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页
それに三十センチごとに大きなむすび玉がついていて、そこへ足のゆびをかけてのぼるのです。
「じゃあ、ぼくがさきにのぼるから、みんな、あとから来るんだよ。」
小林くんはそういって、きぬひものなわばしごをぐんぐんのぼっていくのでした。
そのあとから、みんなのぼりました。ユウ子ちゃんは女の子ですから、井上くんたちが上から手をのばして、引き上げてあげました。
あなの外へ出ると、そこは、草ぼうぼうの原っぱでした。さいしょにのぼった小林くんが、むこうへ走っていくすがたが小さく見えます。いったい、どこへ行こうとするのでしょう。
空を見上げると、せいどうのまじんは、ふうせんのように、高く高くとんでいきます。
「わあ、よくとぶねえ。もう、あんなに小さくなっちゃった。」
ノロちゃんがさけびました。
あとでわかったのですが、せいどうのまじんはあついビニールでできていて、中にかるいガスを入れたものでした。つまり、ふうせんだったのです。
ちか室のゆかに小さなあながあいていて、その下に、また、小べやがあったのです。そこにまほうはかせがかくれていて、あなからビニールのまじんをゆかの上におし出しながら、ポンプでガスをふきこんだのです。