轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

吉川英治『鳴門秘帖(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鳴門秘帖、鳴門秘帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 页

青空文庫

「でも……」お綱はまだ信じきれないで――

「世阿弥様のお嬢様には、あの、墨屋敷においでになった、美しいお千絵という方が? ……」

「さ、だからなおのこと、お前が世阿弥様の娘だということが分る。というなア、最前きいた話にも、また、この手紙の様子をみても、お前の死んだお母さんは、仲之町の江戸芸妓だろう……。いいかい、そこで何かの機縁から、甲賀様と馴染みになって、いつか、日蔭の腹違いに、生れたものがお前なのだ……イヤ、お綱さんだったのに違いない。まア待ちねえ。もッと先を読んでみるから……」

紙背を透すような眼ざしで、万吉が、その手紙、またほかの四、五通、残らず読んでみた時に、すべての疑雲は晴れていた。かれの想像は当っていた。

吉原の仲之町、そこの夜桜よりは桐佐のお才といわれたお綱の母と、まだ三十二、三であった世阿弥とは、かなり永い馴染みだった。

そして、二人の仲にお綱が生れた。

芸と意気張りで売る仲之町芸妓だ。年増となっても、よしや引手茶屋の店先に自分の子供をあそばせておいても、人気に廃りはなかったが、やがて、宝暦の何年かに、世阿弥は阿波へ去ってしまった。