轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

作者――江戸川乱歩氏曰く「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年8月号<br>黄金仮面「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年9月~1931(昭和6)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 143,357 字 · 287 页

青空文庫

若しやそれが、生きた人間の腕の様に生温く、柔いのではないかと考えたからだ。

「アハハハ……」ルージェール伯は、侯爵の心持を察して笑い出した。「では、『金の仮面』と云われている盗賊は、まだ捕縛されないのですね。恐らくその賊は、この仏像みたいな顔をしているのでしょう。キッとそうでしょうね、侯爵」

侯爵は大使の言葉に、臆病過ぎた所業が極り悪く、ソッと手を引いた。

その時である。突如として、美子姫の口からほとばしった、絹を裂く様な悲鳴。人々は不意をつかれて、飛び上った。姫の飛び出す程見開かれた両眼が、鍍金仏の背後の小窓に、釘着けになって、顔色は紙の様に白く、今にも卒倒せんばかりである。

見るとその小窓に奇怪な人間の顔。咄嗟にヒョイと隠れてしまったが、確かに何者かが大使の一行を覗いていた。しかも全く見覚えのない異様の人物、邸内の召使でもなければ、警戒中の刑事でもない。

侯爵はいきなり小窓へ飛んで行って、ガラス戸を開いた。

軒下を辷る様に逃げて行く人影。背の高い、髪を女の子の様に長髪にして、黒木綿の紋つきに、黒セルの袴をはいた、何とも形容の出来ない変てこな姿である。