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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
線上閱讀井上 円了《おばけの正体(おばけのしょうたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 74,925 字 · 145 頁
第三〇項 怪音の正体
第三一項 化け物欅
は、狐狸にあらず、樹魂にあらず、全くこのふくろうなることが分かったことがある。
第三〇項 怪音の正体
これと同様の話が先年、仙台の新聞にも見えていた。ころは明治二十六年五月ごろ、福島県石川郡石川町字下泉、鎮守の古びたる欅がうなり出だせしことあって、やはり妖怪沙汰となり、人々その声に驚かされ、種々の俗説が起こってきた。しかるにあるものが、その木に朽ちたる穴があるから、この穴の中になにか動物が住んでいるのではあるまいかと思い、黏を塗り置きしところ、案のごとく、やがてみみずく二羽捕らわれたという話が、『東北新聞』にて報じてあった。
第三一項 化け物欅
近ごろ新潟市にて発行せる新聞中にも、右同様の怪談を載せてある。その大略を抜記すれば、
村松町より一里をへだつる中蒲原郡橋田村大字西四つ屋、曹洞宗泉蔵寺大門先なる関谷安次宅地内に、数百年を経たる高さ五間、幹の周囲約一丈の大欅あり。去る二十三日の夜九時ごろ、同字関谷清一郎の弟清次が、大沢なる地蔵尊の祭典に赴きたる帰途、くだんの場所に差しかかるや、携えたる提灯ふと消ゆるとひとしく、病人のうめくがごとき一種のうめき、大欅の根元より発したるため、清次は身の毛をよだててふるい上がり、踏む足しどろに逃げ帰り、家人にも告げず寝込んでしまう。