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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
線上閱讀井上 円了《おばけの正体(おばけのしょうたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 74,925 字 · 145 頁
第七九項 古榎の怪光
第八〇項 哲学堂の青火
ほど怖くなったけれども、そのそばを通らなければ自宅に帰ることができぬ。コワゴワその場所に至れば、乞食がそこに泊まり込み、寒さを防ぐために焚火をしてあたっていたのであったとのこと。
第七九項 古榎の怪光
京都の相国寺境内は、昔は大藪であったが、今は開墾せられて学校の敷地などになっている。三、四年前、その境内に怪物出現すとの噂付近に高くなり、これを見届けんとて探検に出かけたものの話には、掌の大きさくらいの怪しき光を放つ、数個の眼球を有する怪物を見定めたりとの評判である。この近傍に住する教育家が、文明の今日、怪物などとは片腹痛しとてこれが調査に出かけしに、果たせるかな、お化けにあらず、榎の古株の多年地中にうずもれしが、このごろ掘り出だされしために、燐光を放ちしものなることが判明せりとぞ。
第八〇項 哲学堂の青火
余が二、三年前、野外の一軒家たる和田山哲学堂に宿し、夜十二時ごろまで書物の取り調べをなし、まさに寝に就かんとして出でて庭前に立てば、一丁あまりも隔たりたる梅林の間に、青色の火がトロトロと燃え上がり、また消え、明滅数回なるを認めた。そのときは暗夜にして、しかも星影も見えぬ曇天で、またその辺りは墓場の跡でもなければ、燐光の出るはずもない。