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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(一)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 231,525 字 · 463 頁

青空文庫

八

「――ざま見ろッ、どんなもんだい。おたんちん! ひょっとこ! おいらのお師匠様は、こんなもンだ。カアカア鴉の宝蔵院め、ざまあ見さらせ! 槍ばかり並べてやがって、手も出まい、足も出まい!」

だが、やがて彼方の形勢が一変して、それまで静観していた宝蔵院衆の槍が、俄然うごき出すと、

「あっ、いけない、総攻めだっ」

武蔵の危機! 今が最期と彼にも分った。城太郎はついに身のほども忘れてしまい、その小さい体を火の玉のように憤らせて、丘の上から一箇の岩でも転がるかのように駈け下りていた。

八

宝蔵院初代の槍法をうけて、隠れもない達人といわれる二代胤舜は、

「よしッ、やれっ」

その時、すさまじい声をもって、さっきから静観の槍先を横たえたまま、撓め切っていた十数名の門下の坊主たちへ、号令したのである。

ぴゅうーっと、白い光はその途端に、蜂を放ったように八方へ走った。坊主あたまというものには、一種特別な剛毅と野蛮性がある。

くだ槍、片鎌、ささほ、十文字、おのおのがつかい馴れた一槍を横たえて、そのカンカチ頭とともに、血に飢えて躍ったのだ。

――ありゃあっ。

――えおうっ。

野彦を揚げて、もうその槍先の幾つかは血を塗っている。