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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁
もし神の世界創造が妄想による計画によったとすれば、ヘーゲルはそういう神様をも義とし、之を弁護しなければならない義理になるのである。――云うまでもなく概念の唯一の真の役目は、夫が実在を把握することであり、従って又把握され反映されたものとしての実在を、それのみが指し示し得るということにあったのである。
吾々が日常使っている諸概念は、人間の経験(生活をテストし淘汰する処の)を通じて歴史的に発達した認識の諸成果であって、従って論理機関の部分品なのである。認識の歴史が織り上げた範疇組織の、繊維で夫はあるのだ。概念とは、理論的認識のために歴史的に用意された云わば科学的写本であって、吾々は日常之を使って(尤も大抵の場合には好い加減にしか使っていないのだが)活きている。技術学、自然科学、社会科学、等々に基く一切の生活上の認識が、皆之から出来上っているのである。
処が併し、実際には世間の人間は、何もこういう科学的範疇・理論的概念だけを使って生きているのではない。彼等の多くの者又は或る者は、概念は死んだものとさえ言っている。そういう連中の気持では、この範疇=概念なるものは少しも尊重されるに値いしない。