輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 頁

青空文庫

利根川のほとり

を書いたころは、網場といって魚を獲る網を置いたところで、「夜の宿なまぐさし」などとも芭蕉は記している。茨城県側より水深も深く一時は栄えた宿場もあったが、それも位置を変えた。私は十五歳の時東京へ出て来て、時折帰った程度で、転変の歎きをそれほど身に沁みて感じなかったものの、やはり懐しい土地である。そこには両親も二人の弟たちも、私より二年ほど遅れて辻川から移り住んだのであった。

利根川のほとり

下総の布川へ行ったのは明治二十年秋の初め、私の十三歳の時のことであった。それから約二年の間、私にとっては一日一日が珍しいことばかりに思われた。たんに親元を離れ、郷里から遠ざかっているというだけでなく、医者を開業している兄は新婚だし、書生として、われわれとまるで違った代診や薬局が三人ばかりいるし、その上、近所の人とは言葉が通じない、そんな状態であった。こんな中で私はいろいろと新しい経験をした。

自分ではすっかり忘れていたが、布川の二カ年間、別れていた郷里の両親にやたらに手紙を書いたらしい。二年後に親がやって来ていっしょに住むようになったとき、「お前少し嘘を書いてよこしたね」