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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 頁

青空文庫

史学への反省

の「からす」がある。私の住んでいる成城で、朝早く外で人の話をきいていて、ああ伊勢の香良州とか、九州の唐津とかと同じように発音すればいいということがはっきりした。とうとう私も子供の時分に身につけたアクセントが一生なおらないらしい。ところがこのアクセントのない地帯が東北の大分広い範囲にある。そこではどう使っても平気である。日本語も結局それになりはすまいか。上方の方の言葉がこんなに関東まで有力になって来ては、そう思うの他ない。

史学への反省

私はこれまでにもしばしば、日本の歴史を説くのに、外国の学者の説を引いてそれを日本にあてはめようとすることの誤りを説いたが、日本の史学の進歩が遅れていることの理由の一つは、漢字を憶えることが史学に入るための困難な関門になっていることであると思う。漢字を憶えるのに苦労をするため、やっと他人が書いたものを理解できる段階になった時には相当の年齢に達しており、そこから自力で考え、自分のものを創り出すところまでにはなかなか到達しないのである。漢字を制限してみても、この悪弊は打破できないのであって、まして外国文献をそのままあてはめるくらいのことで、日本の史学の将来が解決するものとは思わない。