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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 頁

青空文庫

方言その他

これがいちばん自然の順序ではないかと思っている。

方言その他

広島か山口か、どちらかで講釈をきかされたことがあった。「私らの方では痛いという言葉が五つあります。例えばお腹が痛いときにはニガル、歯の痛いときにはハシルと申します……」という風に、五つあるというのである。これはあの辺の自慢話の一つである。そんなに使っているのを、東京できめた「痛い」にしてしまわれるから分らなくなり、仕方なしに顔つきをいろいろと変えてみたり、手をあててみたりしなければ分らないのである。日本には実際方言の変化が多い。県境を一つ越えれば言葉が違うし、同じ播州でも東と西とではもうちがっている。こうなっているのはやっぱり、いいたいことをはっきりいいたいからであろう。言葉の専門家がこの点にちっとも思いやりをしないで、表現論ばかり書いているが、もう少し理解ということを考えてほしいものである。

方言というものは今までにはどんどん変ってきたが、もう変らないであろう。昔は藩主のお国替えによって方言の交流ということも行われたが、これは文化的に見てプラスであったろうかというに、必ずしもそうとはいえなかった。