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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁
それへ、召しの使いを飛ばす。一方、広間を浄め、燭を配らせる。――いや、そう指図する自身がまだ顔も洗わずにいたのに気づいたりする。
諸将は、出揃った。
信長の爽やかな面に、白い燭が映えて見える。彼は、一同を見わたしながら唇を開いた。黎明と共に、自分は出馬する決心である。目標は、小谷の浅井長政を討つにある。――この席は軍議の席であるが、その根本の目的に、異論や諫止はゆるさぬ。ただ、その作戦上の範囲内で、何か、献策があらば聞こう。
こう信長が決心のほどを闡明すると、諸将はみな、何か心を強く搏たれたようにしんとしてしまった。
小谷の浅井長政には、信長の妹のお市の方が嫁いでいる。そればかりでなく、信長は、妹聟の長政を、隣邦の抑えとする政策以上に、心から眼をかけていた。日頃、長政をよく愛している信長の真情を、諸将はみな知っていた。
京都へも、よく長政を招いて、見物させ、また、
(これは、小谷の妹聟でござる)
と、将軍家の周囲を始め、会う人ごとに紹介せたりして、長政も、自分と共に引き上げていた。
信長の近習が、信長の世話ばかりやいていると、
(妹聟も、見てやってくれよ)