輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁

青空文庫

「ウム、ではもう牢内の、武田伊那丸、加賀見忍剣、木隠龍太郎、その三人を都田川にひきだして首を洗って斬るばかりか」

「御意。もはや、裾野の雲は晴れました」

「甲斐ざかいの憂惧がされば、これで心を安らかにして、旗を中原にこころざすことができるというもの。家康にとって、伊那丸はおそろしい癌であった。幼少ながら、かれの行く末は浜松城の呪いであった。それを捕らえ得たのは近ごろの快事、いずれも斬刑のすみしだいに、恩賞におよぶであろうが、その日のくるまでは、かならず油断せまいぞ。よいか、半助」

さては、家康のごきげんなわけは、伊那丸が捕らえられたことであるか。と一同はうなずいて、徳川家のため、暗雲の晴れた心地がした。そして、城を退ったものは、このうわさを城下につたえて、その日のくるのを、心待ちにしていた。そして、かつて軍神の信玄が、甲山の兵をあげて、梟雄家康へ、乾坤一擲の血戦をいどんだ三方ヶ原。

そのいわれのある古戦場で、その信玄の孫が、わずかふたりの従者とともに、錆刀で首を落とされるとは、なんと、あわれにもまた皮肉な因縁よ!

と、気の毒がるささやきもあれば、心地よげに嘲む三河武士もある。