輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁

青空文庫

二

二

天空のふたりは、朝から今まで、たがいに、飲まず食わずである。

竹童は、蛾次郎を鷲の背から蹴おとさんとし、蛾次郎は、竹童をふりおとして、じぶんひとりで翼を占有しようとしている。

しかもそれは、寸分の休みもなく走っている鷲の背なかで、天空の上で――行われつつある争闘だ。一しゅんのゆだん、一分のすきでもあれば、鷲じしんにふりおとされるか、そのいずれかが見舞ってくる。朝から飲まず食わずでも、またこれからいく日、一滴の水を口にしないまでも、そんなことは念頭にない。まさに真剣以上の真剣だ。それに早くまいったほうが惨敗者だ。

「やい、蛾次郎!」

かけりゆく鷲の上で、こういう声は鞍馬の竹童。

「なんだ、竹童」

蛾次郎は、ただそれ下界へ蹴おとされまい一念で、鷲の頸毛にダニのようにたかっていた。

「いいかげんに降参してしまえ。そしてこの鷲をおいらに返してしまえ。そしたら命だけは助けてやる」

「いやなこッた。てめえこそ、低いところへ降りたときに、飛び降りてしまやがれ。そしたら命だけたすけてやる」

「こいつめ、人の口まねをするな。おのれ、今にどこかで突きおとしてくれるから見ていろよ」