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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁

青空文庫

永いあいだ、なにかにつけてじぶんの前途をさまたげていた勝家は自害し、かれと策応していた信長の遺子神戸信孝、勇猛佐久間盛政、毛受勝介、みな討死してしまった。

伊勢の滝川一益も、かぶとをぬいで降ってくる。

破竹の勢いとは、いまの秀吉のことであろう。京へ凱旋してのち、七本槍の連中をはじめ諸将の下のものへまで、すべて、論功行賞をやったかれにはまた、朝廷から、従四位下参議に補せらるという、位官のお沙汰がくだる。

毛利も人質をだして和をねがう。

丹羽、前田も、あまんじて麾下にひざまずく。

こうなると、ひそかに虎視眈々としていた徳川家康も、いきおいかれのまえに意地を突ッぱってはいられないので、石川数正を戦捷の使者に立てて贈りものをしてくる。

秀吉はそこで、

(人間てものは、まあ、そんなものサ)

というような顔をしていた。

そして、遠く走せていた目を、すぐ真下の作事場――内濠のところにうつすと、そこには数千の人夫や工匠が、朝顔のかこいのように縦横に組まれた丸太足場で、エイヤエイヤと、諸声あわせて働いているのが見られた。

「市松」

とつぜん、かれは床几になおって、

「また使者が見えたぞ」