輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁
わくわくと自分の腰に手をやってみる。
さいぜん、帯へさした、蔦之助の矢はたしかにあった。
「ウム、野郎め。まだあいつの足では御岳の試合場までは行きつきはしめえ。……なんの見ていやがれ、早足の燕作が一世一代にすッ飛んでくれるから」
足と腰の骨を二つ三つたたくと、孫悟空が急用にでかけたように、燕作のからだは鳥居のまえから見ているうちに小さくなっていった。
いや、その早いことといったらない。まるで足が地についていないようである。
またたく間にもとの渓流にかかってきた。
ここは谷間のせいか、いちだんと暮色が濃くなって、もう夕闇がとっぷりとこめていたから燕作は泣きだしたくなった。
「ええ、大へん」
もしこの遠駆けにおくれを取ったら、あの呂宋兵衛がおれをただはおくまい。菊池半助や大久保長安なども、さだめしあとで怒るだろう。いや、おこられるだけならまだいいが、勝ったら百両といわれた褒美もフイなら、第一、天下の早足の名まえがすたる。
意地でも欲でも勝たなければならない。
「ええ、間道をゆけ、間道を」
とうとう燕作、ここまで試合をつづけてきて、最後にさもしい町人根性をだした。