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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(三)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 222,108 字 · 446 頁

青空文庫

昼中に、新たな人数を動員しておけ」

「心得まいた」

「共に警衛の旅に赴く千葉、小山の両家へも、今より参って、増員をうながすつもりだ。春の日は永いなどと思うな。今日一日だぞ。――道誉はなにかと打合せのため、夜までは帰邸せぬかもしれぬ。しかし兵の装備はもとより、留守の配置など、すべて抜かりなくしておけよ」

そしてまた、

「そうだ……」と、横を見て、かろく言った。「主膳、そちは老臣輩をたすけて、留守役にまわれ。なにかと言いおいたこと、忘れるな」

すぐ衣裳を着がえる。

これがまたやかましい。京童から“道誉羽織”とよばれている彼好みな改良仕立ての陣座羽織が幾通りもある。外出のたび、彼は自分で選ぶ好みでなければ着て出ない。

千葉ノ介の宿所、小山五郎左の陣所と、あすの事の談合にあるいて、午すこしすぎ、六波羅へ顔を出すと、待ちかねていたように、探題仲時が彼に告げた。

「いや、よい所へ。じつは獄舎のうちの先帝が、頻りに御辺をお待ちかねで、道誉、道誉と再三にわたッて侍側の者へごさいそくあらせられる由。どうも御辺でなければいけぬことらしい。恐縮だがすぐ伺って下さるまいか」

人霞