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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁
それは知れきったことだった。にもかかわらず、気鋭な若公卿や経済面にくらい新政権の当局たちは、ただ楮幣の流通がいたるところで嫌われたり、また官民間の物議となっている現象へだけ気をいらだてて、ようやく、
「これではならん」
と、首をひねっていたところだった。――そこへもし、噂のごとき殿ノ法印の献言だとすれば、なるほどこれは、見せしめの首斬りが行われるという六道牢の恐怖が、事実化する可能はある。
雑炊桶をさげた牢番二人は、毎度のように、中を覗いて、わめいていた。
「やい、どうしたンだよ、日が暮れれば餓鬼のようにガツガツしていくさるくせに。いらねえのか今夜の粥は」
「ア。すみません」
「早く椀を出せ。椀を」
「いただきます順ぐりに……」
「取ったら、早く次の奴と代れ」
「ですが、牢番さん」
「うるせえナ、何だよ」
「ほんとでしょうか。昼、牢のそとで、お役人と番衆が、立話で言ってたことは」
「知らねえよ、おらあ」
「楮幣の科で入った者はみんな河原で首になるって噂ですが」
「なると思ってたらいいじゃねえかよ。それ以上は心配なしだ」
「じゃあやっぱりほんとですか」
「首になる朝は、かたい盛り飯に、白饅頭が三ツ付くよ。