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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁
触れ不動
と、いいのこして館の方へもどって行った。
もう宵をすぎている。
節句の客の、小さい者たちはみな帰ってしまっていたが、その近親者やら家臣のおもなるものは、なお広間で酒をのんでいた。義貞も上座のしとねに、やや居ずまいをくずして、義助がみえるのを待ちかねていたふうだった。そして義助が来てからは、いちばい声もひそまって、そこはそのまま密議の車座となっていた。
触れ不動
「よし」
義貞は言った。
密議のすえにである。
さんざんな議論も出たが、彼のくちからさいごの断がそう下ると、とたんにみな黙って、どの顔にも悲壮な色がみなぎった。
「ぜひもない」
と、義貞はかさねていう。
「まこと、当家の旗上げは、もすこし先にとしていたが、千寿王の逃走、徴税の催促、かたがた四囲の情勢も、いまは一刻の猶予もしてはいられぬようだ」
「いられませぬ」
と、義助も和して。
「いたずらに、大事をとって、上方の戦況を、にらみ合せていたのでは、ついに機を逸すばかりか、逆に鎌倉方の先手を食うかもしれませぬ」
「が、そうなると邪魔なのは、陀羅尼院へ入れおいたあの徴税使の二人だが」
「いや、義助におまかせおきください。