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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁

青空文庫

原稿料

一枚わずか一朱。十六枚で金一両という画料では、女房のお徳さんを相手に、ささやかな晩酌をたのしむためにも描いて描いて、描きまくる必要があったのだろう。

二百年前の江戸の庶民たちは、歌麿の美人画を壁にかけ、広重や国貞の絵ウチワで、夕涼みをたのしんだことであろう。それが、今日何万円も、何十万円もしようとは、誰も考えはしなかった。

捕物帳を職人芸だという人は、おそらくは職人にさえもなれなくて、名前ばかりの芸術家先生として、一生、なんにもせずに暮すだろう。

この意味で、私は広重について語りたいのだが、いや、その前に、現今の原稿料というものを考えてみたい。

原稿料

「原稿料は、だれでも、かれでも、みんな、均一にしてしまえ」

私は、いつだか、こういう意味のことをいった覚えがある。

さすがに、面とむかっては、誰も、なんとも言わなかったが、陰では、バカだとか、気ちがいだとか、野村胡堂も耄碌したとか、いろいろ言われたようである。

だが、私は、一時の思いつきでもなければ、共産主義にかぶれたわけでもない。本当に均一制がよいと思っている。

この世の中で、トップクラスと下積みとの間に、百倍以上のひらきがあるのは、野球選手と映画女優と、そして小説家くらいのものだろう。