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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁

青空文庫

上司小剣(一)

むろん、これは上司氏の洒落であり、偽悪的な誇張でもある。しかし、蓄音機を大事にするのも徹底していて、

「レコードというものは、蓄音機の性能をテストするための付属品さ」

と、放言していた。

「キミは、レコードばかり大事にするからいかんよ」

と、私なんぞは、幾度しかられたか分らない。

電蓄が大きらいで「あんな、けしからんものはない」と、口癖のように罵倒していた。これには、私として、大いに異論があったのだが、喧嘩することもないから、黙っていた。

上司氏の愛用機は、ブランスウィックのテーブル型で、マドリットという手巻き式だった。それを六畳の日本間にすえ、薄茶一服をたしなみながら、心静かに聞き入る姿は、なかなかに閑寂なものであった。レコード・ファンというと、妙な新しがり屋ばかりと思われがちだが、上司小剣氏は、その中にあって、すこぶる印象的だった。

上司小剣(一)

上司小剣氏について、もう一回書く。

私は腹を立てていうわけではないが、昨年以来、半年あまりも寝込んでいた。そうした病床生活の間でさえ、金を貸せといってくる人がある。

どうせ、貸すほどの持ち合せはないから、来たって無駄なわけであるが、私にわからないのは、ひとに金を借りに来るのに、玄関までタクシーを乗りつける。