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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

七

蔵人の動静を見張っていて、それを知らせてもらいたい。が、そこで問題なのは、いま差当って本拠を移さなければならない。どこがよかろうか相談ちゅうなのだ、と云うと、八重は遠慮がちに、

「もし適当な処がありませんでしたら、わたくしの家の寮をお使い下さいまし」

と云った。

「浅草の橋場の奥で、もう真崎稲荷に近いところでございます、不便ですけれど舟入り堀もありますし、人眼を避けるには却ってよろしいかと存じます」

七

徹之助はすぐに他の四人と相談した。

八重に詳しく訊いてみると、隅田川にも近いし、舟入り堀もあり、周囲は閑静な寮ばかりで、条件はかなり揃っていた。

「そこがお借りできるのですね」

「はい、よろしければ帰りに日本橋の家へ寄りまして、すぐお支度をするように手配を致します」

みんな賛成であった。

ほかに太田嘉助が、自分の家の菩提寺を候補にあげたが、寺は芝の愛宕下で、町のまん中だから、それはだめということになり、いちおう橋場の寮に定った。

八重はまもなく帰った。

休之助は松之助のことが気になるとみえ、病状などを訊こうとしたが、徹之助はふきげんに遮って、八重を帰らせてしまった。