輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

道ひらく

一

しかし彼女にはそれがいかにも貧弱で、薄く、みすぼらしいように思えた。

「あたし忘れないわ、決して」

とつなはうわ言のように呟いた。

「今日のことだけは、決して忘れないわ」

道ひらく

一

万三郎が和泉屋の寮へいったとき、つなはもう先に帰っていて、恐ろしいような眼で彼を睨んだ。

彼はつなが誤解していることを知り、その弁明がしたかったので、兄の部屋へゆくまえに、つなをつかまえて強引に庭はずれのほうへ伴れていった。

「たったひと言、――ひと言でいいんです」

つなは拒んだが、拒みとおしはしなかった。怒りと復讐の神(そんな神があるとすれば)のような顔つきで、黙って冷やかについて来た。

「お願いですから、どうか私の云うことをすなおに聞いて下さい」

「――さあどうぞ」

「貴女はつまり、なにか考え違いをなすっていらっしゃるようですが、実際のところあれはなんでもないんです、ほんとですよ、本当にただ膏薬の貼り替えをしていただけなんです」

「あの人には藤井という老女が付いている筈ですわね」

「ええ付いています」

「どうしてその老女がしないで万三郎さまがなさいますの」

つなは冷静な声で云った。