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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 頁

青空文庫

しかし、その点は急に断定するわけにはいかないと私は思うのである。言葉の研究は大事な手がかりになるにはちがいないが、ただそれだけで民族の起源を見ようとするのは危険ではないかと思う。

日本人の起源はやはり稲作と結びつけて考える必要があると思う。シナ大陸で米を作った中心地の北端は殷の故郷、洛陽付近で、象が耕していたという説がある。そこから稲作がじりじりと朝鮮の端までいったという説もあるが、この推論は誤りであるらしい。あるいは米はシナから直接に渡って来たという説をなす人もあるが、安藤さんの本は、これらの諸説を批判しながら、進んで行く形をとられたものであった。最近、浜田君などが参加して、カンボジアのメコン河の周辺に米を作っているごく原始的な人種の踏査が行われ、浜田君などが大いに働いているのは頼もしいことである。

稲の文化というものを考える時、弥生式文化の渡り口といった問題についても、慎重な研究がもっと進められてよさそうに思われる。これについて、私は、島国という日本の条件から、海上交通、すなわち、潮流の必然性というようなものを掘りさげて調べる必要があると思う。