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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 頁

青空文庫

もっとも、それには帆布ということも考えなければならない。こう考えて来ると、どうしても入江の多い地形、すなわち太平洋岸より、日本海側の方が利用しやすく、こうして南から北へと行ったのではないかと想像できる。

舟人が海づたいに進んで行く時分には、食物のことをどうしていたのだろうか。いつも果物のある季節とは限らないし、結局道々で耕作をしながら進んだのではないかと思う。移住論者はこの食物のことをあまり考えていないようである。

日本の島々にいっぱい茂っていた樹木が、南の方からだんだん伐られて来たことは、何となく舟が南から北へ進んで行ったことを想像させるが、しかし一つの島から他の島へ移るのには、大きな努力と冒険が要る。それをどうしてやったか、私といえどもまだ想像説に留っているにすぎない。日本の舟はどんな風に発達して来たかということは、日本文化の発達に関連する重要な問題であるから、これからの若い人達に、ぜひ研究してもらいたいと思っている。

日本人の渡来

日本人ははじめにどこから来て、どこの地帯に入ったのであろうか。人間の移動には、いろいろの信仰といっしょに、生活の方式をもって来なければならない。