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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

〈三 算額の風習〉

東京市内は最も早く算額が影を潜めたらしく見える。

幕末の頃にはこの種の絵馬を見に来る人も相当に多く、注意に上っていたので大切にもされたけれど、維新後になると、まれには新たに奉納したものもあり、京都の北野天満宮、成田及び大宮のものなどがその例であるが、しかし従前に比すれば、はるかに減少したことはいうまでもなく、奉納の新額は次第にその数を減少し、そうして一方には焼失したり、破壊したり、風雨に曝されて磨滅し、取り払われるという風で、今でこそ未だ若干の遺物があるというものの、将来においては益々減少し珍奇のものとなるであろうこと、当然の勢いである。

〈三 算額の風習〉

日本の算家が数学の題術を絵馬に仕立てて、お宮やお寺に奉納したというのは、ずいぶん古くからのことであった。

前にもいうごとく、京都の祇園に現存するものは元禄四年(一六九一)に長谷川鄰完なるものの奉納であり、天和三年(一六八三)に同門山本宗信が伏見御香宮に奉額して二つの問題を提出したものの答術であった。伏見御香宮の山本宗信算額なるものは、もちろん今は残っておらぬ。

この祇園の算額につき『増修日本数学史』