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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁
〈七 建部賢弘の帰納法〉
れるので、その頃に関孝和が江戸から出たというのも偶然ではなかったであろう。日本の数学は武士階級の芸術的生活を反映して発展したといってもよろしい。関孝和及びその門人建部兄弟等のごとく、戦国時代において武士の花ともいうべき動作を顕わした人々の子孫の中から出ているのも注意を要する。戦国の頃に戦術の、著しく発達した後をうけて、数学などの方面にその智力の発現が方向を転換して、ここに偉大な構成をなすことになったもののようにも思われる。
〈七 建部賢弘の帰納法〉
建部賢弘は関孝和が天才的の能力を発揮する人であったことをいっている。これに反し、建部自らは天才的でないから、着実にこつこつと一から二へ、二から三へという風に、帰納的に探会するという研究方法を賞用したことを主張する。その著『不休綴術』(享保七年、一七二二)はこの主張を実現するために作られたのであり、いわば一種の数学方法論の述作である。こういう研究方法は関孝和ももちろんこれを用い、これによって重要な業績をもあげているけれども、建部が探会という二字でいい表わしたところの方法を中心に取って、まとまった方法論に作り上げたのは、建部賢弘の著述を措いては他に見られぬのである。