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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

〈四 『改算記』と『算法闕疑抄』〉

〈四 『改算記』と『算法闕疑抄』〉

『塵劫記』と前後した頃から数学教科用の書物は幾らも作られているが、『塵劫記』ほどに行われたものはない。後の『改算記』『算法闕疑抄』などは、これについで広く用いられたものである。『塵劫記』が出たのが寛永四年(一六二七)であり、爾後若干年間はこの種初期和算書の著作を主とする時代であった。この頃の諸算書を見るに、築城、河川、売買貸借、測量検地、度量衡、金銀の換算、租税、木材、その他の実用に関するもの多く、卑近な商工業用とともに武士階級に必要なるものも説かれている。これに加うるに趣味的のものに富むのが特色である。

この時代には算数をもって諸侯に抱えられたものが幾人もあり、これらの人々は測量や土木事業や、経済関係のことなど担当することが多かった。浪人して算学を学び、これを教授しているものなどが必要に応じて召し抱えられたのであろうが、武士は算盤を手にすることを賤しみながらもその必要を思うたことは当然であろう。

和算は支那の数学から出発しながら、単に支那の数学を翻訳したというものではない。円周率なども大工などの間で用いられたらしいものが、一般に採用され、支那算書とは初めから色彩を異にした。