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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

しかしながら優美であり、鑑賞の価値に富む。

エジプトやインドの古建築や、またギリシア、西洋の有名な美術的建築などは、もとより悪くはない。私は日本の建築がそれに優るとはいわない。その世界的建築の中に伍して、さまで遜色なきものがあるかを感ずるのである。

近頃、文学士藤田元春氏は『日本民家史』なる一書を刊行した。わが国に如何なる種類の民家が存在するかを列挙し、その発達の由来を明らかにしたのである。その着眼は鋭敏であり、観察は正鵠に当たっていると思われるが、屋根の形状にしても広く世界にありとあらゆるものが、ことごとく一国内に集められたかの観があり、すこぶる優美なのが特色だといっている。その優美なわが国の民家の建築様式を今後に維持して行くことは、あるいはむずかしいであろう。悲しいといえば悲しい。

けれども民家の建築においてさえも、過去において誰がしたということもなしに、自然にかくも優美な優秀なものが作られたというのは、趣味性に富んだ民族性からきた結果であり、今後も外来の様式を採り入れて、たとい一時は堕落趣味に堕することがあろうとも、遠からずして再び特殊な優雅なものに変造し、別様の趣味を発揮するであろうことは、容易に期待される。