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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁
と、またほかに米国コロンビア大学師範科の教頭スミス博士と共著の『日本数学史』との原稿を書き上げることが出来た。今から思えば、こういう貧弱な材料で二部の書を書き上げ、しかも海外で発表するなどいうことをしたのは、無謀の大胆さであったことを恐縮する。
この二部の書の一方は独逸での出版であり、一方は米国の出版ではあるが、これもまた印刷は独逸で行い、その校正は独逸から西比利亜鉄道によって送られ、それを再び米国へ送るのであって、随分多くの時日をも要した、けれども両書の一方は世界大戦の始まる一、二年前に出版を終わり、一方はその年の初めに出来上がって、両方ともに戦争に煩わされることもなく、無事に完了したのであった。スミス博士と共著の方は、同博士が文筆に達した人であるから、はなはだ流暢に説述せられ、これがために日本の数学史が欧米の学界に紹介される上に極めて好都合であったのは、しあわせである。
これより先、菊池大麓博士が英文で和算の算法を説いた数篇の論文があり、また藤沢利喜太郎博士が巴里で開かれた万国数学会議に出席して、日本の数学のことを略述されたものがあって、この藤沢博士の論文は短篇ではあるが、かの国でははなはだ有名なものになって居る。