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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁
とうとう素性の方が分らない腹いせに、衆議が癆※(「やまいだれ+亥」、第3水準1-88-46)にしてしまいました。
こんなふうですから、二階の障子が開くと、それ開いた。手すりへ出ると、それ出てきた。外をひろい歩くと、それ歩いた。――いやはや人間を暇にさせておくと実にうるさいものであります。
せっかく世間を遠去かって入湯にきているものを、熱海くんだりまで来ていッそうこうでは、さだめし当人に煩わしかろうと思われますが、それが案外で、次郎という小僕も、小間使いも、また問題の佳人月江様という人も、そんなことはどこ吹く風かで、少しも、気にかける様子がありません。
ある日は、次郎をつれ、紅緒の草履に紐をつけて、湯前の神から日金の山へのぼッてゆく。
ある晩は、歌留多をよむ声が高くきこえてきたり、投扇興にキャッと笑っていたりする。
洗い髪で、磯を飛んであるく、月江の姿もよく見ます。時には、庭先で、鬼ごッこをしていたり、すべてが開放的で、明るく、そろいもそろった無邪気な三人であります。
だから、傍観の閑人には、その無邪気な生活ぶりが、一つの羨望でありました。
「おお、道がきれいになった、ゆうべの雨で」